砂漠の水車
「ぐあ」
――…以降の悲鳴は途絶えた。
赤く鋭い氷の塊は瓦礫と共に巨漢を串刺しにした。
「お見事」
「恐れ入ります」
レインを地上き戻し、心ない拍手を送った。
3メートルほどもある巨大な氷の針山は、月光に光を受けて幻想的に煌めいていた。
その上の方に刺さっている巨漢の身体を見つけながら、ああ、手荒いことをしてしまったと後悔する。
本来は腕を飛ばした時点で振り切って直進すればまけただろうが、「水があるぞ」だなんてリクエストは蛇足だった。
このことはヒツギには言うまい。
「…はぁ、行くぞ」
失態にため息を落とし、ジンはくるりと踵を返して道を進むことにする。
小男の姿は見えないが、元々後方のレインを襲える位置にあったあれは、氷山に道を塞がれたことだろう。
「御意」
一応、追い付かれぬようにと二人は走り出した。