砂漠の水車
「……………」
一方、外回りと単独行動を許されたグレンは、不吉な轟音を耳に挟んでいやな風に光る月を見上げた。
汚い断末魔も伴ったので、早速誰かがなにかしらやらかしたと思った。
グレンは口を塞いだマスクを一旦取り外し、耳元の無線機のスイッチを入れる。
「…おい、どうした」
この無線機は五人分のスイッチが連動しており、誰かがスイッチを入れれば問題なく全員に聞こえる仕組みになっている。
ただし本気で応えられない場合は、意図的にスイッチが切れるが。
しばらくしてノイズ混じりの音声が聞こえた。
『なんです、さっきの轟音は』
アルファだった。
「…お前らじゃないのか」
『違いますよ』
じゃあジンとレインだろう。
何故応答しないのかについては、二人がピンチなのか、もしくは応答したくない理由があるからか――…恐らく後者だろう。
『ジンくーん、れーちゃん、大丈夫ですかー?』
『………………』