砂漠の水車






「なーあ、やっぱり見に行った方がいいんじゃね?」


「大丈夫ですよ、ジンくんだもん」



君だったらすぐに飛んでいくけれど、と喉まで出掛けた言葉を飲み込み、アルファは先を急いだ。


どこへと聞かれれば、恐らくあるであろう基地への侵入口。



「…なあ、アル、お前7隊の最年長が誰だか忘れてんじゃねえか」


「間違いなく君だと思ってましたけど」



違いましたか、と続けて振り返ったアルファは首をかしげた。


いや、間違ってない、間違ってないけれど。


じゃあもっと頼るなり任せるなりなんなりしてくれてもいいんじゃないの、と希望する。



「ひっつんこそ忘れないでくださいよ、僕らの隊長は最年少であるジンくんであり、副隊長はその次に若い僕であることを」


「………ちっ」



7隊は少し変わっている。


年齢と階級が、今言ったように反比例して若い者ほど階級が高く、また騎士たる実力も上になる。


年功序列を尊び、年上を敬う精神が根付いているヒツギにはむず痒い居場所だ。



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