砂漠の水車



時々あんな餓鬼に従って生きなくとも、だなんて考えるが、こういざとなった時『従ってしまう』自分が見事に滑稽。


それを幸運だとか誇りだなんて思うようになったから余計に始末が悪い。



「なにか可笑しいことありました?」


「………あ?」



振り返ったアルファが、眉間にシワを寄せ首を傾げながら尋ねてきた。


なにが、と返そうとしてふと頬に触れた瞬間、ああ、自分は笑っていたのかと認識し恥じる。



「べっつにぃ、なんでもねぇよ」


「悪餓鬼が悪いこと考えてる顔してましたけど」



餓鬼に言われたくねぇと悪態をつけば、アルファは悟ったように穏やかに笑った。


「それは失礼。
でも、ここからはあまりふざけていられないようですよ」



アルファは急に真顔に戻ると、外壁に身をくっつけて肩越しに向こうを顎でしゃくって見せた。


外壁が、煉瓦が途切れて鉄柵の門で塞がれている。



人影は見えないが、おそらく基地への侵入口と見て間違いないだろう。



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