アカイトリ
「天花…天花…!」
――目が、離せない…
自分の名を呼びながら、知らない女を組み敷く颯太。
あれは…何を、しているんだ…?
――生々しく身体を重ねながら、二人の姿は美しくも映った――
かっと全身が熱くなった。
あれは…あれは…
「愛している、天花・・・っ」
「愛してるわ、颯太・・・っ!」
とんだ茶番だ。
天花は悟った。
颯太の愛を――
今目の前で繰り広げられている営みは全て、わたしにしたいことなんだ、と。
――颯太は天花の名を何度も呼びながら菖蒲を抱いていた。
目隠しされていようとも、その瞳は、その身体が組み敷いているのは、わたしの身体だ…
――仮想体験をしながら颯太は菖蒲…天花を抱く。
ぴくりと颯太が顔を上げた。
天花は慌てて身体を障子から起こした。
「…どうか、なさいまして…?」
息切れを起こしながらも菖蒲が颯太が向いた方へと視線を遣る。
「いや…気のせいだ…きっと」
「では今度はわたくしが…」
今度は菖蒲が先導して挑発的に唇を重ねた。
満ちる快楽の鬨。
天花は奥底から沸き上がってくる猛烈な、怒りにも似た感情を持て余した。
「何だ、これは…?」
ほろりと涙が零れた。
「わたし以外の女を、抱いてほしくない…!」
あの腕も――
あの髪も顔も――
あの身体も、わたしだけのもので在ってほしい――…!
――その場から静かに後ずさりをすると、走り出した。
あの声が聞こえない、もっと遠くへ。
わかっている。
あんなことをさせてしまっているのは、わたしのせいだ…
あんな風に抱かれたいのに、拒絶してしまう…
「神よ…」
天を仰いだ。
つっと涙が伝う。
「わたしは、あなたを心底憎む…」
颯太と同じ色に、造ってほしかった――…
――目が、離せない…
自分の名を呼びながら、知らない女を組み敷く颯太。
あれは…何を、しているんだ…?
――生々しく身体を重ねながら、二人の姿は美しくも映った――
かっと全身が熱くなった。
あれは…あれは…
「愛している、天花・・・っ」
「愛してるわ、颯太・・・っ!」
とんだ茶番だ。
天花は悟った。
颯太の愛を――
今目の前で繰り広げられている営みは全て、わたしにしたいことなんだ、と。
――颯太は天花の名を何度も呼びながら菖蒲を抱いていた。
目隠しされていようとも、その瞳は、その身体が組み敷いているのは、わたしの身体だ…
――仮想体験をしながら颯太は菖蒲…天花を抱く。
ぴくりと颯太が顔を上げた。
天花は慌てて身体を障子から起こした。
「…どうか、なさいまして…?」
息切れを起こしながらも菖蒲が颯太が向いた方へと視線を遣る。
「いや…気のせいだ…きっと」
「では今度はわたくしが…」
今度は菖蒲が先導して挑発的に唇を重ねた。
満ちる快楽の鬨。
天花は奥底から沸き上がってくる猛烈な、怒りにも似た感情を持て余した。
「何だ、これは…?」
ほろりと涙が零れた。
「わたし以外の女を、抱いてほしくない…!」
あの腕も――
あの髪も顔も――
あの身体も、わたしだけのもので在ってほしい――…!
――その場から静かに後ずさりをすると、走り出した。
あの声が聞こえない、もっと遠くへ。
わかっている。
あんなことをさせてしまっているのは、わたしのせいだ…
あんな風に抱かれたいのに、拒絶してしまう…
「神よ…」
天を仰いだ。
つっと涙が伝う。
「わたしは、あなたを心底憎む…」
颯太と同じ色に、造ってほしかった――…