Love again
「……ちょっと、夢が恐くて」


「うん。」

震える私を優しく抱きしめてくれたんだ。すぐに離れようとしたけど、だけど、想いとは裏腹に震えは収まっていた。


「……沢田くん」

私、この温もり、なんか知ってる気がする。


「わりぃ!飲み物買ってきてやるよ。」


「待って……あたし」


私の中で、なんかがつっかえてるような気持ちになってる。


「……そんな顔すんなよ?あいつから、奪いたくなるだろ…買ってくる」


カチャっと、鍵をあけて、沢田くんは出ていった。


それから、数分もかからずに戻ってきた。


「はい!」

お茶をもらった時、手が微かに触れた。


誰かの手と手が握りあってる、そんな映像が流れていた。


「……思い出せない」


なんでだろう。きっと、見たことある手と手。


きっと、その片方はあたしの手で、もうひとつは……誰の手?


「……思い出さなくていいこともあるんじゃないか?」


そう言われたら、そうなんだけど、断片的な映像が、最近多いから余計に気になる。


「大事なことを忘れてるかもしれないのに?」


「大事なことなら覚えてるだろ?気にするな。」


そうだよね、気にしすぎなだけだよね。
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