Love again
「あっ!卒業アルバム…すごく探しても見つからなくて、隣のクラスに同中の子がいるから…貸すように頼んどくね?」


もらったお茶をあけて、一口飲んだ。


「……なぁ、聞いていいか?」


「うん?」

こんなに沢田くんと話してるの、なんか不思議。


「お前は、どんな中学生だった?」


「どんなって……今と変わら……」


小学生の時、何が好きだったとかはっきり、覚えてるのに、中学のことになると、なんか言葉が詰まる。


「……お前は、変わらないぽいな?俺は…落ちぶれた気がする。すげー悲しいことがあって。」


「悲しいこと?」

どんなことがあったんだろう。


「それは、今でも引きずるくらい悲しいことなの?」


「いや……俺が誤解してただけかもしれない。」


まっすぐに見つめてくれて、答えてくれた。


「……沢田くんって、悪く言われてるほど悪じゃないよね!その悲しいことが原因なのかなって、なんとなく、いま思った。ごめんね…あたしも誤解してた。」


「ううん。けど、仮に誤解がとけても……無理なんだ。きっと、その人を苦しめてしまうから…このままでいいって思う。」


沢田くんの好きな人なんだろうな。


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