ともだちのつくりかた。
「それより、喉、かわいた」


「あ、はい」


彼女はリュックからペットボトルを取り出し、恐る恐る僕の口にあてがう。

また噛み付かれたらと警戒しているのだろうが、もう僕にそんな気力は残っていない。

哺乳瓶にがっつく赤子みたいに、僕はペットボトルに入った水を飲む。


「そういえば、さ」

ペットボトルから口を離し、僕はちらりと視線を横にずらす。

少女もその視線を追いかける。


「僕の首をその斧で、切ると、して」


視線の先には、薪割り用と思しき斧があった。

僕を埋めたその日に、少女が置いていったものだった。

この辺に住んでいる者なら珍しくないものなのだろうか。
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