シスター




スースー…



スースー…



スースー…






ん…今何時…?

美佳子は頬を掠める生暖かい風を感じうっすらと目が覚めてしまった。

辺りは真っ暗。

まだ夜中なんだろう。




…嫌な時間に目覚めちゃったな。
隣にいる姉の手を握ろうと手を伸ばそうとしたが







美佳子の体に異変が起きていた。
その事に気づくまでそう時間はかからなかった。





か、体が動かない…っ!?






な、何っ!?
何が起こったの!?




お姉ちゃん!!
助けて、お姉ちゃん!!





「お、ぉ…」








必死に助けを呼ぼうにも声すら出ない。







嫌な汗が額にじんわり浮かんで来る。






唯一動かせるのは眼球だけのようだ。

辺りをキョロキョロと見渡すと…







部屋の隅、箪笥のそばに


誰かがいる…っ!?




ひっ…怖い!!

助けを呼びたくても声が出ない。




暗闇の中じゃ人影と言うことしかわからないが、ゴツゴツした肩、顎のラインからして男性のようだ。







その人影はゆっくりこちらに向かって来る。

ゆっくりゆっくり、歩きながら…





い、いや…っ!!

来ないでっ!!





その男が美佳子のそばにやって来た時だ。

月明かりに照らされて男の口元が見えた。





硬直した体、恐怖を感じながらその男を凝視していた美佳子は

男の口元が動いているのが見えた。


どうやら何かを言っているらしい。




何よ…何なの?

私はあんたなんて知らない!!


お願いだから消えて!!



お願、早く消えて…
早く…


     















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