週末の薬指
どすっと倒されたのは寝室のベッドだった。

「お稲荷さんの前に、花緒が食べたい」

熱い吐息を私の首筋に落としながら、そう囁いた。

その合間にも夏弥の手が慣れたように私のブラウスのボタンを外していき、露わになった胸元に唇を這わしていく。

「あ、夏弥……やっ……」

スカートの中に入ってきた手に反応して、体中が敏感になっていく。

ブラジャーを外した胸に一瞬見入った後、形が変わるのを楽しむように揉みしだく夏弥はいつも以上に強引で、私がどう思っても、何を言ってもやめる気はなさそうに見える。

「夏弥……好き」

「知ってる」

「あ……そこ、私……」

「ここだろ?」

私が感じる場所がどこなのか、何度か体を重ねたせいかわかっている夏弥は、そこを集中的に攻める。

「好き、好き……」

何度も何度も気持ちを伝えながら、夏弥の顔を引き寄せてキスをせがんだ。

私を押さえつけたまま、深く熱いキスを返してくれるその強さと、

「愛してる」

口の中に直接落とされる切羽詰まったような言葉に浸りながら、私の体はどんどん熱くなっていった。
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