終わらないエンドロール
「今日からあたしが舞子なの。貴女は麻里乃。わかる?」
麻里乃......いや、舞子は微笑んだ。
「貴女が鏡の中にいるのよ」
鏡の中の自分を、自分ではないもう一人の人間として扱うと、死にかけたときに鏡の中の自分が助けてくれる。
鏡の中で、ずっと生きられるように。
「貴女はもう自由に動けない。命拾いした代わりに、自由を失ったのよ。あたしが動く通りに動かなければいけないし、勝手に動くことは許されない」
元は舞子だった麻里乃は、元は麻里乃だった舞子を見つめた。
舞子が右手を上げると、自然と麻里乃の右手も上がった。