終わらないエンドロール
「あたしが死に掛けるとき、貴女は戻れる。それまでの辛抱よ」
――まぁ、そう簡単に死なないけど。
舞子がにこ、と微笑む。
微笑む気分じゃないのに、麻里乃も微笑んだ。
舞子が部屋から出て行くのと同時に、麻里乃はドアの向こうの暗闇に落ちた。
アリスの嘘つき。
鏡の国に入っても、自由に動けないじゃない。
毎日自分の意志で動けなくて、この暗闇に落ちなきゃいけないなんて。
これならいっそ死なせてもらえたほうが、楽だったよ。
酷いよ、舞子。
ああ、でも、今までごめんね――。