略奪愛の結末
「楽しかった~~また絶対連れて行って。」

「次は 合格してからな。」

「さっきの歌…いい歌だね。」

篤朗の好きなアーティストの曲
私も好きになるんだ。

好きな人の好きなもの
好きな人の欲しいもの……

全部 全部 好きになるから。

どさくさにまぎれて 篤朗の腕をとっていた。
わざとに明るく楽しく 
ふざけたようにして 篤朗に触れて歩く。

もうすぐ家についてしまうのがほんとに
ムカついた。

もっと家 遠かったらよかったな~~なんて……。


角を曲がろうとしたとき 篤朗の足が止まった。

「何?」

「シッ!!」

篤朗が私の口を手でふさいだ。


キャァ~~~


ドキドキ胸が高鳴った。
だけど 篤朗の視線は向こう側だった。

手を放した篤朗の視線の先には
姉がいた。

何だ?あのおじさん……。

「今日は楽しかった。」

「私もだよ。まだ妹さんはかえってきてないようだね。」

「後輩と出かけてるの。
だから今夜はこうしてあなたと一緒にいられた。
後輩に感謝しなくちゃ。」

そこにいるのは 姉の仮面をかぶった別人だった。
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