略奪愛の結末
少し時間をずらしている間 篤朗は無言だった。

やっぱり篤朗は
姉に恋していると 確信させられた。

重苦しい空気の中 アパートのドアの前

「じゃあね。」篤朗が去ろうとした。

「おねえちゃんに会っていかないの?」

「よろしくって言っといて。」

篤朗が歩き出した瞬間 ドアが開いた。

「おかえり。遅かったね。
あら?篤朗?帰るの?」

いつもの姉の笑顔 だけど石鹸の香りがした。

「メールしたんだけど おねえちゃんから
返事こなくて。」

わざとに言った。

「ごめんね。気がつかなかったの。
さっき見たわ。篤朗 コーヒー飲んで行ったら?」

「いいっす。」

「めずらしいわね~。具合でも悪いの?」

やっと篤朗が振り返った。

「今日は帰ります。」

「あ そう。じゃあ ありがとね。」

小首をかしげる姉が 悪い女に見える。

「マリ どこ行ってきたの?」

「いろいろ~。」

姉は私が玄関に入るとドアを閉めた。

私には都合がよかった。
姉に恋人がいること 不倫だろうがなんだろうが
固く結ばれていてくれれば いつしか篤朗も
あきらめてその頃私も少しは大人に近づいて
恋愛ができるに違いない。
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