略奪愛の結末
「だから篤朗が帰ってきたの気づいたのに
出迎えられなかったのがショックだった。」

「大丈夫だよ 飛勇が頑張ってくれた。」

「ほんとにいい子だよね。こんな悪い母親のおなかで
育ったのに…優しくて温かくて……
飛勇を見てると自分が恥ずかしくなる。」

「俺も飛勇には勉強させられるよ。
いい子産んで育ててくれたのはマリだよ。」

今度はマリがしがみついた。

「ごめんね…ごめん…篤朗の人生 もてあそんで……。
もし私が悪い病気だったら……
おねえちゃんから篤朗を奪った意味も無駄になっちゃう。」


マリの口から久しぶりにメグの名前が出た。

「明日一緒に聞こう。
何かあったら一緒に闘おう。」

「ごめんね・・・・。絶対 病気悪いと思うの。」

「俺がいるよ。とにかく寝よう。
明日結果聞いてから考えよう。」

マリはしばらくしがみついていたけれど
力が抜けて寝息に変わった。


俺が眠れない・・・・・。


明日 結果を聞いて マリはパニックになるだろう。
そんなマリになんて言葉をかけてあげたらいい。


これからマリをどう支えればいい?


明日すぐにマリを落ち着かせる方法を
ずっと考えていたけど 結局答えは見つからなかった。


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