略奪愛の結末
「ママ ただいま~~」

飛勇の元気な声がした。

床と一体化しそうなくらい怠い体もその声には
起き上がれる。

「おかえり~~。どうだった?
あら?おばちゃんは?」

姉の姿がない。

「帰ったよ。ママによろしくねって言ってた。」

「な~んだ。一緒にご飯食べようと思ってたのに。」

吐き気と闘いながら食事を作る毎日にも
そろそろ限界を感じている。


「ママ おばちゃんすごいよ~~
走るのもすっごく早くてね 飛勇のクラス おばちゃんが五人も
抜いたから 一位になったんだよ。」

興奮気味に飛勇がミニ運動会で
姉が活躍してくれたことを報告してくれた。

「飛勇のクラブが始まる前に リフティングをおばちゃんが
したんだよ。コーチもビックリしてね
30回もできて すごいねってみんなも言ってた。」

嬉しそうな飛勇

「おばちゃんね 小さいときから運動得意だったんだよ。」

「みんなすごいすごいって言ってたもん。」

私は姉がどんなにすごい人なのかを
飛勇に伝えるうちに

姉がたくさんの才能を封印してまでも
妹のために人生を捧げてきてくれたかを痛感していた。


「ママ どうしたの?」飛勇が心配そうな顔をする。

「ママ今まですごく悪い子だったんだ。
おねえちゃんに一杯わがまま言って困らせて……。」

「じゃあ 謝らなきゃ
ごめんねって言ったら きっと おばちゃん
いいよ って笑うからね。」

それはいつも私が飛勇にいう台詞

「そうだね 今度ちゃんと謝る。」

飛勇がニッコリ笑った。
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