略奪愛の結末
「悪かったな 付き合わせて。」

車の中で篤朗が言った。

「ぜんぜ~ん。私親がいないからさ 
ああいう感じなんだって ちょっとうらやましかった。」

「最近だって。俺に興味もったの。
それまで兄貴しか目に入ってなかったからな。」

「それだっていいじゃん。
立派な親がいるといないではやっぱ違うんだよ。」

「まあね・・・・。」

「楽しかったな~またお会いしたいな~。」

「無理無理~うるさくて絶対無理~。」

「あんな親が欲しかったな~
楽しかったもん。」

篤朗が一瞬私を見た。

「楽しかったならよかったよ。
また会えることがあったらね。」

親がいないっていう悲壮感伝わったかな。

もうすぐ家のところで 姉の姿を見つけた。

「おねえちゃんだ。」

公園のベンチに座って うつむいていた。

私の声に篤朗が車を停めた。

「ちょっと行ってくる。」

車を出てベンチに近づいた。

「おねえちゃん どうしたの?こんなとこで。」

姉が顔をあげてまたうつむいた。

「ごめんね 一人にしてくれる?」
後ろから 篤朗が近づいてくるのを感じた。

「あの社長さんのことで 悩んでいるんでしょう?」

篤朗に聞こえるように 姉に問いかける。
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