海宝堂〜海の皇女〜
「…嫌な予感的中かよ…」
「こいつらです。
いや、1人男が足りませんが…」
さっき、シーファが飛び蹴りで倒した奴が、集団のリーダーっぽい男の隣でシーファ達を指差した。
さっきの奴らは簡易な防具しかつけていなかったが、今、取り囲んでいる奴らはそれより上等そうな鎧を身に付けていた。
流石にこれだけの人数に囲まれては、冷たいものが背中を伝っていく。
「シーファ。とりあえず弾火ぶっぱなして逃げましょう。」
ニーナが小声で言い、悟られないように弾火に手を伸ばす…
それに気付いたのか、リーダーっぽい男がすぅっとバルームの前に近づいた。
男達の中でもさらに上等の鎧をつけ、その上、頭に兜をかぶっていた。
顔はよく見えないが、色が白く優男風だ。
「ひっ…お前は…」
さっきの奴らには強気だったリルトが顔をひきつらせ、すっかりおびえてしまっている。
「おい、そこの女。
お前は人間か?名前は?」
シーファに指を向け、男は言った。
「…名前?なんでそんなこと…」
「いいから答えろ。」
「!―もちろん人間よ!
名前はシーファ!
これで満足?」
男の態度にシーファはきつい口調で言い放った。
すると男は少し考え…もう一度シーファの顔を見た。
「……黒髪で、強い……しかし名前はシーファ…」
「なんなんだ?シーファ、まさか知り合いか?」
「んなわけないでしょ!人魚の知り合いなんていないわよ!」
周りが動かないので、少し気を緩ませたリュートがニーナにつねられる。
「どうします?報告はしましたが、やはり人間のようですので、片付けちまいますか?」
復讐心に顔を歪めて、さっきの男が言った。
「いや、この女だけは連れて帰る。
あとは…始末しろ。」
「なっ!!」
周りを取り囲んでいた男達が一斉にバルームに迫ってきた。
リルトは身をかがめ、ニーナは弾火を構えた。
リュートもシーファも、当然何もしないで捕まる気はない。
「何をしている!そのバルームから離れろっ!」
「ちっ!…城の親衛隊か…」
声のした方を見ると、立派な白い鎧に身を包んだ兵士達がこっちに向かってきていた。
「こいつらです。
いや、1人男が足りませんが…」
さっき、シーファが飛び蹴りで倒した奴が、集団のリーダーっぽい男の隣でシーファ達を指差した。
さっきの奴らは簡易な防具しかつけていなかったが、今、取り囲んでいる奴らはそれより上等そうな鎧を身に付けていた。
流石にこれだけの人数に囲まれては、冷たいものが背中を伝っていく。
「シーファ。とりあえず弾火ぶっぱなして逃げましょう。」
ニーナが小声で言い、悟られないように弾火に手を伸ばす…
それに気付いたのか、リーダーっぽい男がすぅっとバルームの前に近づいた。
男達の中でもさらに上等の鎧をつけ、その上、頭に兜をかぶっていた。
顔はよく見えないが、色が白く優男風だ。
「ひっ…お前は…」
さっきの奴らには強気だったリルトが顔をひきつらせ、すっかりおびえてしまっている。
「おい、そこの女。
お前は人間か?名前は?」
シーファに指を向け、男は言った。
「…名前?なんでそんなこと…」
「いいから答えろ。」
「!―もちろん人間よ!
名前はシーファ!
これで満足?」
男の態度にシーファはきつい口調で言い放った。
すると男は少し考え…もう一度シーファの顔を見た。
「……黒髪で、強い……しかし名前はシーファ…」
「なんなんだ?シーファ、まさか知り合いか?」
「んなわけないでしょ!人魚の知り合いなんていないわよ!」
周りが動かないので、少し気を緩ませたリュートがニーナにつねられる。
「どうします?報告はしましたが、やはり人間のようですので、片付けちまいますか?」
復讐心に顔を歪めて、さっきの男が言った。
「いや、この女だけは連れて帰る。
あとは…始末しろ。」
「なっ!!」
周りを取り囲んでいた男達が一斉にバルームに迫ってきた。
リルトは身をかがめ、ニーナは弾火を構えた。
リュートもシーファも、当然何もしないで捕まる気はない。
「何をしている!そのバルームから離れろっ!」
「ちっ!…城の親衛隊か…」
声のした方を見ると、立派な白い鎧に身を包んだ兵士達がこっちに向かってきていた。