海宝堂〜海の皇女〜
『………そなた達にとって、この娘は大切な者か?』

「当たり前だっ!」

トライデントの言葉にガルが間髪入れずに言う。
後ろでリュートとニーナの目もそう言っていた。

『この娘はそなた達と旅を続けるために、その命を投げ出した。

歴代の王でさえ我に命などしたことはないのに、なんと豪胆な娘。

そなた達はこの娘と同じくらい旅を続けたいと望むか?』

「ああ。置いていくつもりなどない。」

ガルがトライデントを見つめる。
意志の宿った強い瞳。
リュートも、ニーナも、想いは同じ。



『……では、この娘の為に、その命を賭けてみよ。』

「どうすればいい?」

ガルは迷うことなくそう言った。
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