海宝堂〜海の皇女〜
船はすぅっとこちらに近付き、横付けになった。
船の先端に深い緑の袖無しコートの男が立っていた。
「さっきの…あいつがやったの?」
「ああ!俺があいつを見つけた瞬間、何かが飛んできたんだ。」
リュートが見張り台から飛び降り、マストの裏に隠れながら様子を見た。
ガルに応急処置をしてもらい、シーファも男を見てみる。しかし、見覚えはなかった。
「シルフェリア王女!いるんなら出てくるんなら早い方がいいぞ。遅くなればなるほどこの船に傷が付く。」
シーファは唇を噛み締めてマストから姿を現した。
男は満足そうに口を歪めた。
「これは、これは…黒髪に白い肌と聞いていたが、随分健康的に焼けていらっしゃる。
はじめまして、王女様。」
お辞儀の真似事をする男を睨み付けると、男は肩をすくめた。
「おてんばなのは聞いていた通りだ。」
「あなたは?あいつらの仲間?1人で、何の用かしら?」
「俺はあいつらのボス、だ。名前はシドという。」
「なるほど…組織を作ってシーファの誘拐を企てているって事か…」
ニーナの言葉に男が突然笑い声を上げた。
「な、おい、こいつおかしいぞ…見抜かれて笑ってやがる…」
「おい坊主、勘違いするな。誰がいつ、俺の仕事を見抜いたって?
なんともおめでたい奴らにだな…そんなボディーガードでいいのか?王女様よ。」
「彼らはボディーガードなんかじゃない!仲間よ!」
あざけり笑うシドを睨み付けるがシドの態度は変わらない。
「どっちにしてもおめでたいことに変わりはない。
この俺が誘拐?んな、面倒くさいことするかよ。」
「………じゃあ、目的はなんだ。」
「シルフェリア王女の暗殺だよ。あ・ん・さ・つ。
さらいに来たんじゃない、殺しに来たんだよ!」
シドは気味の悪い声で笑った。シーファ達は言葉も無かった。
船の先端に深い緑の袖無しコートの男が立っていた。
「さっきの…あいつがやったの?」
「ああ!俺があいつを見つけた瞬間、何かが飛んできたんだ。」
リュートが見張り台から飛び降り、マストの裏に隠れながら様子を見た。
ガルに応急処置をしてもらい、シーファも男を見てみる。しかし、見覚えはなかった。
「シルフェリア王女!いるんなら出てくるんなら早い方がいいぞ。遅くなればなるほどこの船に傷が付く。」
シーファは唇を噛み締めてマストから姿を現した。
男は満足そうに口を歪めた。
「これは、これは…黒髪に白い肌と聞いていたが、随分健康的に焼けていらっしゃる。
はじめまして、王女様。」
お辞儀の真似事をする男を睨み付けると、男は肩をすくめた。
「おてんばなのは聞いていた通りだ。」
「あなたは?あいつらの仲間?1人で、何の用かしら?」
「俺はあいつらのボス、だ。名前はシドという。」
「なるほど…組織を作ってシーファの誘拐を企てているって事か…」
ニーナの言葉に男が突然笑い声を上げた。
「な、おい、こいつおかしいぞ…見抜かれて笑ってやがる…」
「おい坊主、勘違いするな。誰がいつ、俺の仕事を見抜いたって?
なんともおめでたい奴らにだな…そんなボディーガードでいいのか?王女様よ。」
「彼らはボディーガードなんかじゃない!仲間よ!」
あざけり笑うシドを睨み付けるがシドの態度は変わらない。
「どっちにしてもおめでたいことに変わりはない。
この俺が誘拐?んな、面倒くさいことするかよ。」
「………じゃあ、目的はなんだ。」
「シルフェリア王女の暗殺だよ。あ・ん・さ・つ。
さらいに来たんじゃない、殺しに来たんだよ!」
シドは気味の悪い声で笑った。シーファ達は言葉も無かった。