海宝堂〜海の皇女〜
「しっかりして!あんたの戦いなのよ!」
痛みにだんだんと意識が戻ってくる。視界が開けて、かまいたちが肉を切り裂く音が聞こえた。
と、もうガルをリュートとまとめて突き飛ばしていた。繰り出されたかまいたちが空間を切り裂いて、通りすぎた。
「もう…っ…やめてっ…」
シーファの姿が見えた時、シドの口が大きく歪んだ。今までとは違う振り方をしたかと思うと、風は集束し、縄のようにシーファの体に巻き付いた。
「ただの飛び道具だと思ったか?」
シーファは一気に引き寄せられ、ふわふわとシドの横に浮かんでいる。
「残念だったなぁ!体を張って守ったってのに、この様だ。
…へぇ〜姫様なだけあって綺麗な顔立ちだ。」
「…あんたは醜いわ。自分の欲望の為に何人殺したの?」
「数えちゃいないが…確実にあんたもその一人に仲間入りだ。」
シーファはシドを睨み付けるが、逃げようという素振りは見せなかった。
事実が生きるという気持ちを折ってしまっていた。シドは小刀を取り出し、首にあてた。
「バカ野郎ぉっ!
逃げるために海に出たんじゃないんだよな?水平線の向こうを見に行くんだろ!こんな事で諦めるような決意じゃねえだろぉおっ!」
ビリビリと空気が震えるくらいの大声でリュートが叫んだ。
「生きたいと強く願って、必ず応えてみせるから。あんたを死なせるわけにはいかないの。」
ニーナの手で何かがキラリと光った。
「自分の心にいるカイルを信じてやれ。こんなことする奴じゃないんだろ?」
心が震えた。3人の目にはなんの曇りも見えなかった。自分の心に少しの偽りもない目。だから、惹かれて、共に在りたいと思った。
「…こんなとこで死ねないわ。まだ旅は始まったばかりだもの。」
「うるさいっ!死ねっ!」
シドが小刀を振り下ろす前にそれは弾かれ飛んでいった。
「なにっ!」
驚くシドの顔に汗が流れる。しかし、冷や汗では無かった、熱い空気がそうさせた。それも太陽が暖めた暑さではなく、すぐ下が燃えているかのような熱さだ。
「伝説の武器は1つじゃない。それくらい知っているでしょ?」
ニーナの手には拳銃が握られていた。
痛みにだんだんと意識が戻ってくる。視界が開けて、かまいたちが肉を切り裂く音が聞こえた。
と、もうガルをリュートとまとめて突き飛ばしていた。繰り出されたかまいたちが空間を切り裂いて、通りすぎた。
「もう…っ…やめてっ…」
シーファの姿が見えた時、シドの口が大きく歪んだ。今までとは違う振り方をしたかと思うと、風は集束し、縄のようにシーファの体に巻き付いた。
「ただの飛び道具だと思ったか?」
シーファは一気に引き寄せられ、ふわふわとシドの横に浮かんでいる。
「残念だったなぁ!体を張って守ったってのに、この様だ。
…へぇ〜姫様なだけあって綺麗な顔立ちだ。」
「…あんたは醜いわ。自分の欲望の為に何人殺したの?」
「数えちゃいないが…確実にあんたもその一人に仲間入りだ。」
シーファはシドを睨み付けるが、逃げようという素振りは見せなかった。
事実が生きるという気持ちを折ってしまっていた。シドは小刀を取り出し、首にあてた。
「バカ野郎ぉっ!
逃げるために海に出たんじゃないんだよな?水平線の向こうを見に行くんだろ!こんな事で諦めるような決意じゃねえだろぉおっ!」
ビリビリと空気が震えるくらいの大声でリュートが叫んだ。
「生きたいと強く願って、必ず応えてみせるから。あんたを死なせるわけにはいかないの。」
ニーナの手で何かがキラリと光った。
「自分の心にいるカイルを信じてやれ。こんなことする奴じゃないんだろ?」
心が震えた。3人の目にはなんの曇りも見えなかった。自分の心に少しの偽りもない目。だから、惹かれて、共に在りたいと思った。
「…こんなとこで死ねないわ。まだ旅は始まったばかりだもの。」
「うるさいっ!死ねっ!」
シドが小刀を振り下ろす前にそれは弾かれ飛んでいった。
「なにっ!」
驚くシドの顔に汗が流れる。しかし、冷や汗では無かった、熱い空気がそうさせた。それも太陽が暖めた暑さではなく、すぐ下が燃えているかのような熱さだ。
「伝説の武器は1つじゃない。それくらい知っているでしょ?」
ニーナの手には拳銃が握られていた。