海宝堂〜海の皇女〜
―――時は少し戻り、シーファがマーリンの部屋を飛び出した後の事…
「待ってくれ、そなた達には聞きたいことがまだある。」
シーファを追おうとした3人をマーリンが止めた。
「聞きたいことと申しますと?」
ニーナがシーファの行方を気にしつつも、マーリンの背中に問い掛けた。
「シルフェリアと共にこの国に来た理由はなんだ?」
「それは…」
「あなたが暗殺される可能性があったため、目的地に行くのを後回しにしてほしいと、シーファ…彼女に頼まれたからです。」
口ごもるニーナに代わってガルがはっきりと暗殺と口にする。
しかし、マーリンはそれに驚く様子も見せなかった。
「………リタの行き過ぎた愛情が結果的にこの国にシルフェリアを引き戻したか。」
「!…王様、あんた、王妃がシーファの命を狙っていたことを知っていたのか?」
リュートとニーナが目を丸くした。
「どういうことだよ!シドって奴に依頼したの知ってたってことかよ?」
「私はこの国の王だ。城に不信な動きがあればわかる。」
「…なのに、それを咎めずに、放っておいたっていうの?」
「………国の安泰の為なら仕方あるまい。
シルフェリアが戻るのが最優先だったのじゃ。」
3人の目の前にいるのは間違いなくこの国を治める王だった。
さっきまでの親の顔は消え去っていた。
ヒヤリと背中に寒気を感じる。
「国の一大事となれば、シルフェリアは必ず戻ってくると思っていた。
リタが何も企まなかったとしても、わしが床に伏せればあやつは戻ってきたじゃろう。」
「そんな…シーファの優しさにつけ込んで…」
「そうじゃ、あやつは優しい。そして、厳しくもある。
王としての素質は余りあるほど持っておる。
だから、この国にはあやつが必要なのだ。」
城下町でのシーファの姿を思い出す。
あれほど国民に愛されている王女はいないだろう。
シーファの王としての素質は間違いなかった。
「さっき、目的地を変えたと言ったな。
シルフェリア…そなたらはシーファと呼んでおったな…
そなたらはシーファとどこに向かうつもりだった?」
言葉を無くした3人にマーリンは再び聞いた。
「待ってくれ、そなた達には聞きたいことがまだある。」
シーファを追おうとした3人をマーリンが止めた。
「聞きたいことと申しますと?」
ニーナがシーファの行方を気にしつつも、マーリンの背中に問い掛けた。
「シルフェリアと共にこの国に来た理由はなんだ?」
「それは…」
「あなたが暗殺される可能性があったため、目的地に行くのを後回しにしてほしいと、シーファ…彼女に頼まれたからです。」
口ごもるニーナに代わってガルがはっきりと暗殺と口にする。
しかし、マーリンはそれに驚く様子も見せなかった。
「………リタの行き過ぎた愛情が結果的にこの国にシルフェリアを引き戻したか。」
「!…王様、あんた、王妃がシーファの命を狙っていたことを知っていたのか?」
リュートとニーナが目を丸くした。
「どういうことだよ!シドって奴に依頼したの知ってたってことかよ?」
「私はこの国の王だ。城に不信な動きがあればわかる。」
「…なのに、それを咎めずに、放っておいたっていうの?」
「………国の安泰の為なら仕方あるまい。
シルフェリアが戻るのが最優先だったのじゃ。」
3人の目の前にいるのは間違いなくこの国を治める王だった。
さっきまでの親の顔は消え去っていた。
ヒヤリと背中に寒気を感じる。
「国の一大事となれば、シルフェリアは必ず戻ってくると思っていた。
リタが何も企まなかったとしても、わしが床に伏せればあやつは戻ってきたじゃろう。」
「そんな…シーファの優しさにつけ込んで…」
「そうじゃ、あやつは優しい。そして、厳しくもある。
王としての素質は余りあるほど持っておる。
だから、この国にはあやつが必要なのだ。」
城下町でのシーファの姿を思い出す。
あれほど国民に愛されている王女はいないだろう。
シーファの王としての素質は間違いなかった。
「さっき、目的地を変えたと言ったな。
シルフェリア…そなたらはシーファと呼んでおったな…
そなたらはシーファとどこに向かうつもりだった?」
言葉を無くした3人にマーリンは再び聞いた。