海宝堂〜海の皇女〜
「…この国の海域内にある、ある島です。」
ニーナは素直に答えた。
「海宝堂か…
その島に宝があるというのか?」
「いえ…まだ調査の途中で…その島の神殿に入る鍵がシーファの胸に…」
「胸…?」
「はい、神殿にはこの国ので奉られている神の紋章が必要で、シーファの胸にそれがあったのです。」
マーリンは手を顎に置き、少し考えた後、思い出したようにうなずいた。
「水に濡れると浮かび上がるあれか…
なるほど、それでお互いの利害が一致したというわけじゃな。」
静かにうなずくニーナにマーリンはまた考え込んだ。
「紋章ならば、この城にもある。
代々、受け継がれてきた首飾りをそなたらに渡そう。
それでシーファの事は置いていってくれ。」
「ふざけるなよっ、シーファはただ、俺達について来たわけじゃねえっ!
ずっと小せえ頃から海に出たくて、でも王にならなきゃっていう思いと挟まれて悩んで、やっと…やっと夢を掴んだんだ!
それを、簡単に置いて行けるかよっ!!」
リュートがマーリンに飛びかからんばかりに叫ぶ。
ガルが肩を押さえてなだめる。
マーリンは動揺せず、リュートを真っ直ぐ見つめた。
「そなたらがあやつの気持ちを組んでくれているのはよく分かった。
じゃが、このまま、ずっと一緒に海宝堂を続けていくつもりなら、止めておけ。」
「それは…何故?」
「いくら海に出たい気持ちが強かろうが、航海はそれだけで出来るものではないのは、そなたらが一番よく知っているのではないか?
ここで育ったシーファは足手まといにしかならん。」
リュートはもう一度反論しようと大きく息を吸い込んだ。が、それが声になることはなかった。
自分以外、マーリンの言葉に納得してしまっていた。
確かに海図は読めないし、自分の心に正直であるために、暴走する危険をニーナは感じていた。
それに、紋章がもらえるのならば悪い話ではない。
なにより、国は重すぎる。
リュートはそれを肌で感じ取り、黙った。
ガルはというと、少し考えた後、
「俺からも聞きたいことがある。」
そう言った。
ニーナは素直に答えた。
「海宝堂か…
その島に宝があるというのか?」
「いえ…まだ調査の途中で…その島の神殿に入る鍵がシーファの胸に…」
「胸…?」
「はい、神殿にはこの国ので奉られている神の紋章が必要で、シーファの胸にそれがあったのです。」
マーリンは手を顎に置き、少し考えた後、思い出したようにうなずいた。
「水に濡れると浮かび上がるあれか…
なるほど、それでお互いの利害が一致したというわけじゃな。」
静かにうなずくニーナにマーリンはまた考え込んだ。
「紋章ならば、この城にもある。
代々、受け継がれてきた首飾りをそなたらに渡そう。
それでシーファの事は置いていってくれ。」
「ふざけるなよっ、シーファはただ、俺達について来たわけじゃねえっ!
ずっと小せえ頃から海に出たくて、でも王にならなきゃっていう思いと挟まれて悩んで、やっと…やっと夢を掴んだんだ!
それを、簡単に置いて行けるかよっ!!」
リュートがマーリンに飛びかからんばかりに叫ぶ。
ガルが肩を押さえてなだめる。
マーリンは動揺せず、リュートを真っ直ぐ見つめた。
「そなたらがあやつの気持ちを組んでくれているのはよく分かった。
じゃが、このまま、ずっと一緒に海宝堂を続けていくつもりなら、止めておけ。」
「それは…何故?」
「いくら海に出たい気持ちが強かろうが、航海はそれだけで出来るものではないのは、そなたらが一番よく知っているのではないか?
ここで育ったシーファは足手まといにしかならん。」
リュートはもう一度反論しようと大きく息を吸い込んだ。が、それが声になることはなかった。
自分以外、マーリンの言葉に納得してしまっていた。
確かに海図は読めないし、自分の心に正直であるために、暴走する危険をニーナは感じていた。
それに、紋章がもらえるのならば悪い話ではない。
なにより、国は重すぎる。
リュートはそれを肌で感じ取り、黙った。
ガルはというと、少し考えた後、
「俺からも聞きたいことがある。」
そう言った。