アリスと不思議な国
すると、

「あ゛~もう!めんどくせぇ!優しいつったら優しいんだよ!素直に認めろ馬鹿!!」

自分の髪をクシャクシャとさせながら少年は言いました。

「……は!?」

急に態度の変わった目の前の少年に、アリスはただただ驚くばかりです。

「なんだよ、俺アリスがここまで素直じゃないなんて知らなかったんですけど!」

なぜかアリスが怒られます。

「誰!?というか何で私の名前知ってるわけ?!」

「は?何言ってんだよ、これが俺の素だし。ちなみに名前はイナバ。」

「じゃぁ、なんで私の名前知ってるの?!」

「そりゃぁ…俺が呼んだから?」

いきなりの展開過ぎてアリスの頭はついて行けません。

「呼んだって…?」

「ん?あぁ、この世界を救ってもらう為に。」

「イナバが私を?」

「おう。」

「無理。私そんなこと出来ない。」

「何寝ぼけたこと言ってんだ?これは要望じゃない、命令だ。」

「は?何ふざけたこと…」

「それにアリスも自分の世界に帰りたいんだろ?」

「う、うん…。」

「救ってくれたら教えてやるよ。」

「あーもうわかった!やればいいんでしょ?!やれば!」

「はじめからそう言っとけ。」

笑ながらイナバはクシャッとアリスの頭を撫でると前へ歩き始めました。

「あ、ちょっと待ってよ!」


ひょんなことから、アリスは世界を救うことになりました。


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