怪談短編集
「お姉ちゃんも、一人なの?」
「…うん」
女の子はわたしの服の裾を引っ張って、
「喉渇いちゃった」
そう言った。
「じゃあ、ジュースを飲んでから、皆を捜そうか」
とは言ってみたものの、ジュースか…。
コンビニのドアは、開くのだろうか。
私は、コンビニの自動ドアの前に立った。
ウィィィン。
ドアが開いた。助かった。
女の子が蜜柑の缶ジュースを取ってきた。店員はいない。だが、金を払わないのは気が退けた。私は、百五十円をレジに置き、コンビニを出た。
ふと、足元を見た私は怖くなって、声を上げた。