少女は偽りの恋
「まぁ、そうゆう事で。」
心なしか、彼も気まずそうな顔を見せた。
するとどういう訳か、彼はツグミの座っている方の内側の席に腰を下ろした。
てっきり小都音の隣に座るかと思っていたツグミは、少ながらずとも少し驚いた。
しかしそれが何故なのかはツグミは理解した。
彼の前には、小都音が座っている。
これは、面白い物が見れそうだなと、
ツグミは胸を躍らせながら考える。
ツグミの前に腰を下ろした割と短髪の男は、店員を呼び、席を変えた事を告げる。
中々気の利いた人だと、小都音は彼に一瞥をくれた。
「君達、大学生かな?」
話を振ったのは輝くように美しい男だった。
ツグミはうっとりしそうになったが、堪えた。
小都音が答えそうに無かったので、ツグミは愛想笑いを浮かべ、
「そうです。」と答えた。
「貴方達は?」
意外にもそう聞き返したのは、小都音だった。
「大学院生。」
予想通り、嬉しそうに答えたのは例の色男だった。