少女は偽りの恋




「大学生の割りに、大人しい雰囲気だな。」

ぶっきら棒にそう言い放ったのは、例のもう一人の男だ。


「大学生は、大人しくないの?」

食い気味に反発したのは、小都音だった。


しかし男は、小都音には一瞥もくれず、言葉を続ける。

「いや、まぁ、俺の偏見だよ。
女子大生って、急に背伸びしようと大人ぶるけどさ、
雰囲気がないんだよな、雰囲気が。」

つまらなそうに喋る男に対し、小都音は珍しくも相槌を打った。

「だから、その割りにアンタ等二人は落ち着いてんなって思った事。」

そう言い終え、彼は右手で頬杖を付き、内側に座っていた小都音を真っ直ぐ見つめる。


「それって、私達が老けて見えるとでも仰りたいんですか?」

ツグミは冗談のつもりで言ったのだが、小都音はどうやら真に受けたようだ。


「まさか、
アンタは化粧で顔が見えないけど、
アンタなんて子供みたいな顔してんじゃないか。」

最初の「アンタ」はどうやらツグミの事で、子供みたいな顔の「アンタ」は小都音を指して言ったようだ。






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