少女は偽りの恋
そう答えるのに何故そんなにも気まずそうにするのかと藜は疑問に思い、隣に座っている小都音の方に目を向けた。
すると小都音はその視線に気付き、面倒臭そうにソファに凭れ掛かる。
「私、留年したので、
本来はツグミと同級生でしたね。」
サラッとあまり気分の良くない告白をし、小都音は目を瞑る。
一瞬の沈黙が訪れたが、吾妻昌巳がそれを打破した。
「自主留年?」
「いいえ、単位の都合で留年です。」
小都音は不貞腐れた様子を見せる。
只の相席の赤の他人に、
そこまでプライベートな話を持ち込まなくても良かったんではないかと、
ツグミと藜は心内呟く。
すると昌巳は只の相席である事を忘れたかのように、実に昔からの友人が久々に再会したような親しげさを漂わせ、小都音に伺う。
「おかしいな。
僕の全く主観的な意見だけど、君はとても賢いように見えるけど。」
「主観を排して物を見るべき。」
「それでも、さっきの君とツグミちゃんの話を聞く限り…」
「さっきって?」
「フリッタータと超感覚的知覚。」
壬生藜は何の話だと疑問に思ったが、
そこでツグミはギョッとした。
…盗み聞きしてたのか。
とツグミが理解するのに、僅か数秒も掛かった。