俺様彼氏の甘い罠




「 ああ、ごめんね。
  俺も一応審査員だから
  全クラス回ってるんだけど
  競うところなんて大体
  メニューを頼んでから来るまでの時間と
  味と、ってそれくらいだと思って 」



「 ・・・・審査員? 」


「 まぁ、売り上げで結果は出るけど
  基本がなってないところは
  売り上げがよくてもあげないよ、ご褒美 」




”売り上げが全てじゃないんだよ”と
コーヒーの入ったコップを傾けて
目を伏せた彼は、まさに”王様”。




変なあだ名をつけられてるんだな、って
最近までは思っていたけど
それもなんだかしっくりくる気がした。




「 ・・・・生徒会長って大変そうですね 」


「 そう?結構楽しいけど 」


「 だって、クラスのお手伝いとか
  できないじゃないですか・・・ 」




学生として参加できないのは
なんというか・・・残念、っていうか。




うまく言葉にできなくて
表情を曇らせた私の目の前に
ココアを差し出した彼は小さく笑った。




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