俺様彼氏の甘い罠
「 そんなこともないけど。
ゆっくり校舎内を回って見学するのも
なかなか楽しいしね 」
「 ・・・そうなんですか 」
”キング”なんて呼ばれてる彼は
この高校の生徒会長。
やたらと厳しくて、几帳面。
仕事はきちっとこなして
成績は学年トップ、・・・なんて
漫画の中にしか存在しないような
そんな人だった。
その上、ファンクラブができるほどの美形。
「 ・・・・なに? 」
「 あ、いえ・・・
ココア飲まないんですか? 」
「 ?・・・ココアは澪ちゃんの
好きなものでしょ?
飲みなよ 」
その”キング”が今まさに目の前で
足を組んで、コーヒーを飲んでいる。
そして私にココアを勧めてる。
すごいなぁ、って思いながら
お礼を言ってココアを飲んで、
再度彼を見て、やっぱりすごいなぁって
少しだけ頬が緩んだ。