パステルカラーの恋模様 2
「美園さんといると、何ていうかこう…うまく言えないんですけど。毎日が楽しくて、いつも新しい発見があって、笑いが絶えなくて。俺、美園さんのこと好きになって、初めて自分のこと好きになれたんです」


啓ちゃん…。

そんなに想ってくれてるなんて。


真剣な啓ちゃんの言葉を聞いて、お父さんも少し眉を垂らした。


「ちゃんとお付き合いします。真面目に、責任持ってお付き合いします!だから」



啓ちゃんが深々と頭を下げた。

私もハッとして、一緒に頭を下げた。


「認めてください!お父さん」

「お願い、お父さん」



ばかみたい。

こんな頑固親父に。


ほっとけばいいのに。

相手にしなくていいのに。



それでもこんなに真剣に頭なんか下げちゃってるのは、

啓ちゃんの真剣な気持ちに心を打たれたからだよ。

啓ちゃんの事、お父さんに認めて欲しいから。



するとお父さんのため息がひとつ聞こえた。

ぴくっと耳が反応する。


「可愛い愛娘なんだ。どれだけ愛情かけて育ててきたか、お前なんかには分からんだろう」


啓ちゃんが唇をかみ締めた。

お父さんは続ける。


「美園が生まれたのは、天気がよくて、桜が舞っている春の日だった。元気がよすぎるくらいでな。鳴き声が廊下まで響き渡った時は、もう嬉しくて嬉しくて」


切なげなお父さんの声を聞いて、私は何ともいえない気持ちになった。

お父さんからこんな話、初めて聞いた。
< 66 / 98 >

この作品をシェア

pagetop