私のナイトはやくざ
和真さんと紀子さんと一緒にお店を出ると、

強面の人が入口で立っていた。


「おー・・・待たせたな。
 こいつが一緒にいるとは思わなかったがな…」


そういうと和真さんは紀子さんを指さした。


そして、強面の人・・・橘忠敏(タチバナ タダトシ)さんは私の顔をマジマジと見た。


「はじめまして・・・橘と申します。
 紀子がお世話になりました・・・」


『いっいえ・・・こちらこそお世話になってます・・・』


なんだかよく分からない会話になった。


「お前らおかしいぞ。真由・・・お前は俺の女だろ。
 いちいち頭下げんな。」


『でも・・・それとこれは違います。
 紀子さんにお世話になっているのは私ですから・・・
 和真さんとは関係ありません。』


「まったく・・・お前は・・・」


「若が頭上がんないとは・・・初めて見ました。」

『そうですか?この前も車の助手席に座っている人にも言われましたけど』


「やはり・・・話は本当だったんですね。
 若が、本宅に帰ってこないので、珍しいとは思ったんですが・・・」


「うるせー・・・近いうちに親父に合わせる。それでいいだろ。」

「お願いします。御喜びになりますよ。きっと・・・」
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