私のナイトはやくざ
仕事が終わり、紀子さんと飲みにいった。

席について飲み物を手にしても紀子さんは何も言ってこない。


『紀子さん…これでも私たくさんの修羅場くぐりぬけて来てるんですよ。
 それに、和真さんとも結婚したし・・・
 見えないでしょうけど、これでも、姐さんって言うんですか?
 そういうのなんですよ。とりあえず…』


「知ってるよ。私のお姉ちゃんですものね。
 ・・・・
 あのね。あたし、ちゅうと別れることになったの…」

突然の告白に私の頭は真っ白。

ちゅうさんとは、和真さんの右腕で橘さんのこと。

紀子さんの落ち込みようを見ていると、紀子さんから振ったとは思えない。

でも、橘さんからって言うのも考えらなれない…


「びっくりするよね。私が一番びっくりしてるもん…
 和兄が結婚したから、私もしたくなっちゃって…

 ちゅうに言ったら、別れてくれって…
 なんでなのかまったく分かんないよ・・・」


紀子さんは泣き崩れた…

相当、辛かったんだと思う。

好きな…結婚したいとまで思う人に別れを告げられるということは…


でも、橘さんもなんで?そう思った。

あんなに、仲良かったのに…


紀子さんの話だと、理由は・・・

結婚相手としては考えられないとのこと。


意味分かんない…

こんなにも純粋で、一生懸命な紀子さんにそんなことを言えるあの人が!!

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