私のナイトはやくざ
『単刀直入に伺います。
 紀子さんに別れてくれと言ったんですか?』

「・・・はい。」

『理由は?理由はなんですか?』

「そっそれは・・・結婚できないからです」

『何でですか?紀子さんじゃ不服ですか?』

「そんな・・・紀子は俺にはもったいないくらいの女で・・・
 俺が生涯愛した最後の女です」

『じゃあなんで?なんで別れなくちゃいけないんですか?』

「そっそれは・・・」

「紀子が俺の妹だからか?」

「わっ若・・・」

「何年一緒にいると思っている? 
 お前の事を知らないとでも思っているのか?

 お前は、紀子と結婚すると、仕事に差し支えが生じると考えてんのか?」


「…私は、若を補佐して守るためにいる男です。
 組長からもそう言われています。
 万が一、私が、若を守って命を落とした時、
 紀子…紀子さんが若を恨むことになります。」


「ずいぶんと見くびられたもんだな。俺も・・・紀子も・・・

 いいか!!紀子も高籐の娘だ、
 あいつもそれなりにガキの頃から覚悟はしてる。
 それでも、お前がそういうなら・・・お前はクビだ。
 俺の前から消え失せろ。そんな男用はない!!」

和真さんの言葉には重みがあった。

右腕とまで言われた、彼をそう簡単にクビにできるわけがない。

それでも、和真さんは、紀子さんとの関係を大事にしてほしいと思っているんだってすぐに分かった。
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