夢の外へ
「不安なの?」

「えっ?」

杏樹の言っている意味がわからなかった。

「明日香は結婚するの不安なの、って」

不安…か。

「わかんない」

私は首を横に振って答えた。

「確かに結婚願望――と言うよりも、専業主婦願望みたいなのはあった。

私の口癖だったもんね。

早く専業主婦になりたーい、って」

私は自嘲気味に言って、自嘲気味に笑った。

セレブな専業主婦になりたくて、合コンや婚活パーティーに積極的に参加してた。

それなりに女を磨いた。

でも…今となってはどうだったんだろう?

「私、よくわかんないんだ」

そう言った私に、杏樹は考える。

杏樹はしばらく考えて、
「それが結婚じゃない?」

そう答えた。

「…どう言うこと?」

聞いた私に、杏樹は微笑む。

「私も不安だったの。

祐二とつきあったこと、祐二と結婚することが」

ウソ…。
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