夢の外へ
お気に入りの甘いフルーツの香りがするボディーソープで躰を洗いながら、少しだけ千景が使っているものを物色した。

ふーん…。

このボディーソープ、結構有名なシャンプー会社のヤツだよね。

シャンプーとリンスはこれなんだ。

夢中になっていたのが悪かったかも知れない。

気づかなかった。

千景がすぐそこまできていたことに。

「明日香」

その声に視線を向けると、千景だった。

「えっ…」

ガラス越しに裸、一応泡で隠しているから大丈夫…な訳がない。

何で?

何でいるの?

寝てたんじゃなかったの?

ガチャッ

バスルームのドアが開いたのと同時に、千景が中に入ってくる。
< 91 / 163 >

この作品をシェア

pagetop