キミが望むのなら
実はあの4年前の話には、続きがあるんだ……
――――――――――……
「……遅くなりました」
「っ!悠君っ!!桃香には会えた!?」
裏から店に戻ると、俺を待っていた美樹ちゃんが走り寄ってきた。
「……間に合わなかった」
「っ……そう……」
顔を歪めて、悔しそうに美樹ちゃんが俯く。
するとおばあ様も信二も、ただ黙って俯いた。
「おばあ様、そろそろ俺、準備しますね」
「えっ!?」
今からなら少し遅れてはいるが、パーティーに出て就任の挨拶を出来るな。
お客様はもうすでに来ているだろう……
「じゃあ俺、着替えてくるから……」
「ちょっ!悠っ!?お前ここで諦めるのかよ!?」
「……おばあ様、結局お客様を待たせてしまいました。すみません」
「おいっ!!悠っ!!」
「……すぐにでも着替えて、店にいきます」
「ゆ……」
「それと、美樹ちゃん。桃香の住所、紙に書きだしていて」
「「……え?」」
信二と美樹ちゃんが、間抜けな声を出す。