キミが望むのなら

「……あ、あたしじゃ悠君の足手まといになる……」


「……桃香？」


静かに口を開いた桃香を見つめる。


「だから悠君に釣り合うまで、会えないって……」


「もも……」


「でもっ！でもっ、好きなのっ！！」


っ……


「ねぇ、どうすればいいのかな？あたし、悠君のこと好きすぎるの……」


ポロポロと涙が桃香の瞳から流れる。


「邪魔になってるって分かってるのに……なのに……」


――ギュッ


桃香の言葉を遮って、掴んだままの腕を引き、そのまま強く抱きしめた。


「……邪魔なわけないだろ」


「でもっ、あたし聞いたの。あたしのせいで悠君がケガしたから４代目として……」


「それは桃香のせいじゃない」


「でもっ！！……ん゛っ！！」


これ以上、自分で自分を傷つける桃香の言葉なんて、聞きたくなかった。



「んんっ……ゆ……くん……んっ……」


角度を代え、何度も唇を重ねる。


「んっ……」


そっと唇を離すと、とろーんとした瞳で俺を見つめてくる。