血塗れの蝶
「・・・」

なんでそこで黙るの?

「・・・お前を喰う。」

そう言ってこーは、意地悪く笑う。

『あたし、疲れたから先帰って
 寝るわ・・・。』

そう言い残して、帰ろうと、
ドアに手をかける直前に・・・。

「家、知らないくせに・・・。」

と言われた。

・・・確かに。

「えッ!?何?2人とも、
 同棲してるの?」

目を見開きながら言う尚人。

『今日から・・・。』

あたしは俯きながら、そう言った。

「あぁ。だから、こんな大荷物だったんだ。」

『そういうこっとん♪』

「行くぞ。」


―――――――――。

只今、これから新しく住む家の
前にいるあたし達。

表札のところには、美月と書いてある。
まぁ、正確には・・・。

美月 琥畏
   美王

と書いてあるんだけどね?

でも、あたしはそれを見ただけで、
心が温かくなった。

『琥畏!!』

あたしは思わず、こーに抱き付いてしまった。

「どうだ?気に入っただろ?
 つっても、まだ中に入ってないけどな?」

こーはそう言って、あたしの腕を引っ張り、
家の中へと誘導された。

あたしの部屋は、こーの隣の部屋。

『こぉー♪こぉー、こぉー♪』

嬉しすぎてあたしは、ずっとこーに
抱き付きっぱなし。

「そんなに気に入った?」

『うん。』

ニコニコ笑顔であたしは言った。

ご飯も終わったし、お風呂も
入ったあたし達は、リビングの
ソファに座って、テレビを見ていた。

あたしは、こーの後ろでこーを
抱き締めていたけど・・・。

「美王、こっち来て座れよ?」

こーはそう言って、隣をポンポンッ叩く。

『えぇ~。ずっとこうしてたいモン!!』

あたしはそう言って、更に強く抱き締めた。


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