血塗れの蝶
「sosとか、笑えるんだけど!!
 普通に助け呼べばいいのに?」
龍平は意地悪く笑って、そう言った。

『うるさい!!それしか頭に
 浮かばなかったんだもん!!
 しょうがないじゃん!!!』

「はいはい・・・。」

『~~ッ!?もう!!』

2人でそんなことをしてると・・・。

カンカンッ

と、階段をあがってくる音がした。

ドスドスッ

・・・このあがり方は?
アイツだ!!

『龍平!!隠れて!!』
焦りながらあたしは、龍平にそう言った。

「へっ?」
意味がわかってない龍平は、間抜けな声を
出して、首を傾げていた。

『あぁ~!もう!!こっち!!!』

グイッ

あたしは思いっきり、龍平の腕を引っ張った。


ギィィィ‐‐‐‐‐。

扉が開くと同時に、怒鳴り声も聞こえてきた。

「美王!!お前はいったい、いつになったら、
 原稿と曲を書き終わるんだ!!?
 今年のコンクールは、終わったぞ!?」

『わぁがってるって!!・・・まだ、
 なにかが足りないんだから、もう少し待てって!!』

「またそう言って、逃げるつもりだな?」

『ないない。逃げてはないよ?マジで
 なにかが足りないんだよね・・・。』

「嘘だ!?お前の歌はもう完璧だ!!!」

『なにかが足りないの!!』
あたしはそう言って、冷たく睨んだ。

「・・・歌ってみろ。」

『はいはい・・・。』
あたしは、小さい頃に作詞した
歌を歌った。


―――――――――。

「それ以上に何を求めるというんだ?」

『わからない。ってか、ここ学校だよ?
 どうやって入ってきたの?』

「お前の仮保護者って言ったら、
 通してもらった。」

『顔がいいからって・・・。』

「はぁ・・・。来年にはちゃんと出せよな?」

『わかってますぅ~!!』

「じゃあな・・・。」

 
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