血塗れの蝶
『バイバイ~!!』
手を振りながら、あたしは言った。

『もう出てきてもいいよ?』

隠れていた龍平にそう言うと、
ヒョコッと龍平が顔をだした。

「さっきのおっさん、誰?」

『あたしのマネージャー、つーか・・・。
 あたしの歌を投稿しろしろ、うるさいおっさん。』

「・・・いい歌だと思ったけど?」
横目であたしを見ながら、龍平は言った。

『なにかが足りないんだもん。』

「何かって?」

『わかんないから、苦労してるの・・・。』
溜め息混じりであたしはそう言った。

「・・・さっきの曲名は?」

『クスッ I LOVE。』

「あい・・・ラブ?・・・ね。」

龍平はそう言うと、視線を空に向けた。

「もう1回、歌ってよ?」

『違うのでいい?これなら
 完成してるから・・・。』

「ん?いいよ・・・。」
龍平はそう言って、あたしに微笑んだ。

もう1曲の名前は・・・。

「血塗れの蝶」――――――。


~~♪~~♪

「上手いじゃん!!どこが
 欠けてるの?」

『なにかが足りないの!
 それがなにかわかるまで、
 あたしは投稿しない・・・。』

冷たく龍平にそう言った。

「ふぅ~ん?」

龍平は、横目であたしを見ながら、
そう言った。

「ってか、美王のマネージャーって何?」

やっぱり、そこ気になりますか・・・?

『んとね?ある場所で、歌ってたら
 スカウトされた。』

「マジか!!?」
驚いたように龍平はそう言ってきた。

・・・コイツだったら、バラしたり
しなさそうだし、言ってもいいか♪

『黒蝶って言うアイドル、知ってる?』

「物凄く知ってます!!」

『・・・それ、あたし。』

「・・・えぇ~!!!!!?」

『うるさいんだけど!?』

「ごめん。・・・マジで?」
< 28 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop