血塗れの蝶
『起きろ~?』

ペチペチッ

「・・・・・」

プチッ

少しキレたあたしは、バケツに氷水を
入れて、智樹の頭から被せた。

最後にスコーンッと間抜けな音を出して、
バケツで頭を叩いてやった。

「冷てぇぇ~!!!誰だよ!!?」

『お前がさっさと起きねぇからだよ?
 あッ!もしかして、金属バットが良かった?』

あたしはそう言って、黒笑をした。

「美王・・・?」

『襲われたとは何だ!?それでも、幹部か?
 しかも、sutara「違う!!sutaraじゃねぇ。」』

あたしの言葉を遮って怒鳴ったのは、晶だった。

あれ?いつのまに和輝、起きてたんだ?

「襲ったのはsutaraじゃなくて、美月組だ!!」

美月組・・・?
琥畏の組?どういうこと?

『sutaraっつたのはお前だぞ?』

軽く睨んで晶を見た。

「悪ぃ。さっき、和輝を運んでたときに、
 免許証が落ちてて、俺とタイマンした
 奴ので・・・。」

『調べたら、そう出てきたと?』

「あぁ。」

美月組がなぜ、ここに攻めてくる?
まさか!?バレたんじゃ・・・?

・・・んなわけないか。

『組がわざわざ、桜神を攻めてくるか?
 普通だったらあたしの家を攻めてくるはずだ。
 ・・・狙いがなんなのか、全然掴めねぇ・・・。』

どういう意味だ・・・?

『そうだ。こういう時はアイツに・・・。』

琥畏に相談すればいいんだ。

『悪い。あたし、家帰って父さんに
 説明してくる。』

「あぁ。わかった・・・。」


あたしは倉庫を後にして、琥畏達の
倉庫に向かった。


『っと・・・。この格好じゃ危ない。』

この格好とは、智樹や和輝、下っ端達の
血が付いたシャツのことだ。

服、買って着るか・・・。

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