血塗れの蝶

重症

ここはどこ…?

…あぁ。
撃たれたんだっけ?あたし…。

あたし、死ぬのかなぁ?




―――――――――数時間前。

琥畏のチームの溜まり場から、家に帰る途中・・・。

「ねぇ、君ってさぁ~。
 藍蝶でしょ?」

後ろから声を掛けられた。

『誰のことですか?』

あたしは、知らない振りをして
逃げようと考えていた。

でも、逃げれはしれなかった。

「あっれ~?その刺青って、
 藍蝶の印だろう?」

あたしの腕を見ながら、男は言った。

嘘だ!!包帯をしてるから
見えないはず!!!

バッ!

あたしは反射的に、腕を見た。が、

――――――それがいけなかった…。

腕にはガッチリ、包帯が
巻かれている。

騙された…?

「やっぱり、君が藍蝶?」

『…違う。』

焦るな…。焦るな…。
焦ったら余計、怪しまれる…。

「外見は冷静だけど、内心は
 焦りまくりだね?」

んなぁ!!!?なんでわかった!?

「クスッ…。藍蝶なら、少し協力して
 欲しかったんだけど、
 違うならしょうがないか…。」

溜め息交じりで男はそう言った。
しかも、すんごく悲しそうな目で…。
 
そんな目されたら……助けたく
なっちゃうじゃん。

…藍蝶じゃなくて、死蝶とでも
名乗ればいいか。

周りからは「藍蝶」と「死蝶」は
別の人だと思われてるから、なにかと
便利?だと思う。

『…藍蝶じゃないけど、死蝶だ。
 なにか困ってるって言うなら、
 力を貸そう…。』











―――――この時、協力なんか
しなければ…。こんなことには
ならなかったのに………。



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