血塗れの蝶
―――――――2年前。

『父さん!!あたし、彼氏が
出来たぁ♪』

中1の最後に、部活の先輩から
告られたという話は聞いていた。

「部活の奴か?」

『うんッ♪』

満面の笑顔で頷く美王。

「へぇ~。今度連れてこいよ!」

『ん~?その積もりで、明日
くるから!!』

「気がはえーよ!!」

『えへへッ♪』


その後は、美王と組の奴等みんなで
雑談をしていた。




――――――まさか、誰も、明日、
あんなことになるんなんて
思いもしなかった。















――――――――――。

『父さん!!!陽平がきたぁぁ♪』

「ん。今行く…。」

組の奴はみんな、仕事で出掛けていて
俺と美王しかいないからだろう。

美王が俺を起こしにきた。

着替えて大広間に行くと、そこには
有り得ない人物がいた。


「お前……。」

「お久し振りです。雄牙?」

『あれ?父さんの知り合い?』

「知り合いとはちょっと
違うかな…?」

ソイツはそう言って、美王の髪を
撫でる。

「美王から離れろ……!!」

俺はそう言って、銃をソイツに
向けた。

無意識に……。

『父さん?』

驚いたように、美王が俺を呼ぶ。

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