血塗れの蝶
手加減してやったつもりが、思いっきり
音也の顔面に入ってしまった。

「・・・テメェ、殺すぞ?」

『ごめん。ってか、あたし、帰るから。』

「帰すかよ?」

『決闘?だったら、やめときな?』

「なぜ?」

『だって・・・「お譲!!」

バンッ

だって、もうすぐ助けがくるから。

そう言おうとしたとたん、大きな音を
立ててドアが開いた。

来たか・・・。



「お譲!大丈夫ですかい?」

『当ったり前だ!!・・・こんなことで
 全員、呼んだのか?』

後ろを振り返ると、藍蝶組のみんながいた。

「こんなことって、お譲が攫われたんですよ?
 こんなことじゃすみません。」

あっそ。

フッと音也の方を見ると、顔を真っ青にしていた。

その視線に気付いたのか、さっくんは、

「その男ですか?鬼神の頭は・・・。」

そう言って、音也を殺気を出しながらを睨みつけた。

しょうがない。今だけは助けてやるか・・・。
どうせ、まだ何もされてないし・・・。

『違うよ!つーか、鬼神の情報、ちゃんと見たのか?
 コイツは、早乙女 音也だ。
 鬼神の頭は、葵 音也だろーが!?』

あたしがそう言うと、野口さん(通称;のぐくん)は
ミニパソコンを取り出し、調べ始めた。

どっからそんなものが、出てくるんだよ?

「本当だ!つい昨日変更されてる。
 ・・・見落としていたな。」

「だったら、その男は誰ですか?」

『あたしの下っ端だ。逸早く助けに
 来てくれたんだ。
 葵のヤローは、今頃あたしの幹部達に
 やられてるだろ?』

「そうですか・・・。」

『まぁ、いい。お前等、全員散れ!!』

「「了解しやした!!」」

そう言ってみんなは敬礼をして、次々と
散っていった。

最後は、あたしと音也の2人だった。

『・・・あんたさ、王神に入るか?
 お前の下っ端を、鶯神に入れて・・・。』

王神は、桜神の1つ下の組。
そこに入れるのは、総長が認めた人だけだ。

そして、毎年1人だけがランクアップして、
桜神に入れるんだ。

鶯神は、王神の傘下。
そこは入れるのは、王神の総長のが
認めた人だけ。

まぁ、あたしがいいと言ったら、即OKだけどね?


< 8 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop