ラッキービーンズ【番外編】
「あっ、噂をすればヤギ!」

「ヤギってリアちゃん、俺、一応リアちゃんより三つ年上なんだけど」

「ヤギーだってメイさんのこと名前で呼んでるじゃないですかー」

「メイちゃんはいいの、可愛いから」

「ヤギーも可愛いよ?」

「はいはい。リアは調子いいなー」


掛け合いしながら、八木原くんがリアちゃんの頭を軽くこづいた。

二人は結構気が合うみたいだ。


水嶋と目が合うと、軽く微笑んでくれた。

まるで秘密の合図みたいでドキドキする。


ヤバい。

顔が緩んで、もう挙動不審になりそう。


「で、俺がなんだって?」


八木原くんが話題を戻すと、しれっとした顔でリアちゃんが言った。


「メイさんの服が可愛いのはヤギーのためですかって聞いてただけですよ」

「えっ、マジでー。嬉しいメイちゃん!」


八木原くんは大げさに喜ぶと、こともあろうに水嶋の目の前で抱きついてきた。

もちろん本気じゃなく、冗談っぽくだけど。

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