ラッキービーンズ【番外編】
四角いテーブルは八木原くん、私、リアちゃん、水嶋の順に座っていて、私は意図せずして水嶋の真正面に座ってしまった。

単にリアちゃんが水嶋の隣に座りたかっただけだと思うけど。


「うわー、すっげー美味そう! 水嶋さん、料理とかできたんすね」

「いや、俺はキムチ入れただけ」

「そんなことないですよー。ネギ切るの手伝ってくれましたもん。ね?」


そっか。

水嶋は料理、できるんだ。


私って彼女なのに、水嶋のことあんまり知らないなー。

高校生の頃だって学校外で遊んだりしなかったしな。


そんなことをぼんやりと考えていたら、


「メイちゃん、俺、豆腐入れて」


笑顔の八木原くんに小皿を差し出された。


「豆腐ね、もう、いいかな? お肉も食べるよね?」

「もちろん!あ、ネギ抜きでー」

「ネギ美味しいよ? 野菜も食べなきゃダメだよ」


ひょいひょいと適当に具材を小皿に持っていると、ふと視線を感じて顔を上げた。


リアちゃんはニヤニヤと、水嶋は無表情とも言えるような顔でじっと私の手元を見ている。

それでハッと気づいた。


私ってばまた誤解される行動を……!
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