ラッキービーンズ【番外編】
「さむっ。アイスどころじゃないな」
「……ねぇ、やっぱり上着なしとか無謀だよ」
一歩外に出ればそこは真冬の世界で、アルコールでほてった身体も一瞬で冷えてしまった。
キッチンからそのまま連れ出されたから、当然コートも持ってきてない。
「ごめん、ごめん。これ着ていいから」
八木原くんはちゃっかりダウンをはおってきていて、あわてて脱ぐと私の肩にかけた。
「え、いいよ。八木原くん寒いでしょ」と言うと、「寒くない、寒くない」と誰でも分かる強がりを口にした。
「コンビニすぐそこだし、これでいいでしょ?」
そこまでされると、八木原くんが私を水嶋から遠ざけたいんじゃないかって邪推してしまう。
そんな思いまでして行かなきゃいけない用事なんてないはずだ。
だけどそれを振り切って、一人で部屋に戻る勇気もない私は促されてコンビニへの道のりを歩きだした。
「ねえ、なんで八木原くんはリアちゃんと水嶋を二人にしたいの?」
「えー? 別にリアちゃんに協力してるとかじゃないよ?」
「そんなこと思ってないけど……」
「面白がってるように見える?」
「……」
面白がってる、のかな。
「……ねぇ、やっぱり上着なしとか無謀だよ」
一歩外に出ればそこは真冬の世界で、アルコールでほてった身体も一瞬で冷えてしまった。
キッチンからそのまま連れ出されたから、当然コートも持ってきてない。
「ごめん、ごめん。これ着ていいから」
八木原くんはちゃっかりダウンをはおってきていて、あわてて脱ぐと私の肩にかけた。
「え、いいよ。八木原くん寒いでしょ」と言うと、「寒くない、寒くない」と誰でも分かる強がりを口にした。
「コンビニすぐそこだし、これでいいでしょ?」
そこまでされると、八木原くんが私を水嶋から遠ざけたいんじゃないかって邪推してしまう。
そんな思いまでして行かなきゃいけない用事なんてないはずだ。
だけどそれを振り切って、一人で部屋に戻る勇気もない私は促されてコンビニへの道のりを歩きだした。
「ねえ、なんで八木原くんはリアちゃんと水嶋を二人にしたいの?」
「えー? 別にリアちゃんに協力してるとかじゃないよ?」
「そんなこと思ってないけど……」
「面白がってるように見える?」
「……」
面白がってる、のかな。