ラッキービーンズ【番外編】
「予定あるの?」


そう聞かれて目をパチパチさせてしまった。


「な、ないよ! 全然ない!」


水嶋の性格から言って、わざわざ誘ってくれるなんて思わなかったから、驚いた。

それと同時にじわっと嬉しい気持ちが湧いて来る。


クリスマスを彼と二人で過ごせるんだ。


「そっか。でも俺は予定あるんだよなー」


「どうすっかな」と少し困った風に眉を寄せる水嶋に、今度は頭上から石を落とされたようにズシンと落ち込む。

なんだ、誘ってくれてるんじゃなかったのか。


「……じゃあ、仕方ないよね」


落ち込んでる自分を悟られたくなくて、水嶋の胸あたりを見ながら無理やりの笑顔を作ってそう答えると、水嶋の腕がにゅっと伸びて来た。

そのまま鼻を摘まれる。


「こーら」

「ひゃ……っ、な、何……?」

「メイの悪いクセ」

「えっ?」

「嫌なら嫌だって言えよ」
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