ラッキービーンズ【番外編】
「えっ、だ、だって予定あるなら仕方ないじゃん」

「どうすっかなって俺言っただろ? 変更の余地があるって思わないの?」

「……」

「つか変更して欲しいって思わないの? つき合って初めてのクリスマス。一緒に過ごしたいって女の子なら思うの当然じゃないの?」

「……え、は、はい」

「そういうときは何て言うの?」

「予定は……、できたらキャンセルして……、私と過ごして欲しい、です」

「ん、よろしい」


水嶋は私の言葉に満足そうに瞳を細めて、グラスを傾けた。

またお説教されてしまった。


だけどそれも嬉しいなんて私って結構なMかもしれない。

だってクリスマスは一緒に過ごせるってことだ。


「なんてそれってただの俺の自己満だけど」

「え?」

「予定あるって言ったらどんな顔するかなって。メイが落ち込んだ顔みて内心喜んでた」

「ちょ、ひどっ。まさか嘘だったの!?」


それはさすがに酷いんじゃないって口を尖らせていると、水嶋は笑いながら私の腕を引いた。

近い距離に座っていた私は、あっという間に彼の胸の中へと引き寄せられる。
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